次期戦闘機の驚くべき開発費
日本の防空を担う航空自衛隊の次期戦闘機。開発にかかる総経費は1兆4000億円と見積もられていることがわかった。防衛省関係者が明らかにした。
次期戦闘機の想像図=令和2年版防衛白書より
次期戦闘機は老朽化しつつあるF2戦闘機の後継機で、2035年の配備を目指す。F2の開発費は3270億円のため、次期戦闘機はその4倍以上になる。
防衛省は今年1月、次期戦闘機のコンセプトを公表し、「いずれの国においても実現していない新たな戦い方を実現」と高い目標を掲げたが、判明したのは高い開発費の方だった。防衛費が5兆3422億円なのと比べても、そのバカ高値ぶりは明らかだ。
次期戦闘機の機体価格は1機あたり200億円になるといわれているが、「200億円なら御の字。300億円近いかもしれない」と話す防衛省関係者もいる。いずれにしても世界一高い戦闘機となることだけは確かなようだ。
現代の空中戦ではステルス性が重要
なぜ開発に1兆4000億円もかかるのか。
防衛省が次期戦闘機に求めるコンセプトは、(1)量に勝る敵に対する高度ネットワーク戦闘、(2)優れたステルス性、(3)敵機の捜索・探知に不可欠な高度なセンシング技術、の3点を併せ持つ機体とすること。
次期戦闘機のコンセプト=防衛省の資料拡大画像表示
資料には「このような戦い方を可能とする戦闘機は存在しない」と異なる字体で大きく書かれ、防衛省が本気で「令和のゼロ戦」の開発を目指していることがわかる。
「高度ネットワーク戦闘」は、大容量高速ネットワークを駆使して敵の情報を味方同士で共有する。特徴的なのは無人機と連携することだ。
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